阪神ファンの一番楽しい時期5

城島健司選手がどうやら阪神入りを表明、とあちらこちらのスポーツ新聞に書いてある。二回目の交渉を経て今日にも「阪神・城島」が誕生する、ということらしい。交渉後に会見をして阪神入りを表明する、という話も出ている。この会見でソフトバンク入りを表明したら、スポーツ新聞は大恥だが、まあそれはなくて、ここまで新聞の論調が一致したら決まりだろう。
阪神ファンの世論だが、デイリースポーツの携帯サイトでの「どっちだ!バトル」では7割の阪神ファンが城島選手の阪神入りに対して反対で、賛成は3割に留まっている。矢野輝弘選手ファンが多いのか、狩野恵輔選手の成長を期待する声なのか、あるいは阪神が巨人化することへの抵抗感なのか。ただ実際に城島選手が阪神を選べば、ファンはそれはそれで納得すると思う。阪神に来てもらえるだけでありがたい、と考えるのが阪神ファンである。そしてあり得ない期待を勝手に抱くのが阪神ファンである。城島選手にはとりあえず本塁打・打点の二冠王を期待するとしよう(笑)。
追記
朝日新聞の記事。「『城島の気持ち阪神傾いている』会食の王氏報告」という題で。

城島の獲得をめぐり、古巣のソフトバンク阪神との競合に苦戦していることが26日、わかった。城島本人と会食して復帰を打診した王貞治会長から「城島の気持ちは阪神の方に傾いている」との報告を受けたと、球団幹部が明らかにした。

朝日新聞だけでは「偏向している。産経新聞も出せ」と学生からのアンケートで言われたことがあるので(笑)*1、一応サンスポの記事から(「http://www.sanspo.com/baseball/news/091027/bsl0910270504001-n1.htm」)「鷹にイライラ!?王会長、役目『終わった』」という題で。

冷たい雨がポツポツと落ちた博多の空模様と同じように、王会長の表情も曇っていた。球団事務所を訪れると、集まった報道陣をひと目見るなり「まだ何か?」。タメ息交じりに、ゆっくりと口を開いた。
「俺(の役目)はもう終わった。(獲得の意思を)伝える役はやったけれど、その後どうするとか、(交渉の)窓口は専門がいるから。城島からの連絡? ないよ」
球団が城島獲得に参戦した24日には、さっそく福岡市内の高級料亭で城島と2人きりで語り合った。常に城島獲りを熱く訴え続けていた王会長だが、『もう終わった』と一転、トーンダウン。不機嫌なその表情が全てを物語っていた。
自身の思いとは別に球団の城島獲得への動きは、進展をみせない。27日に2度目の直接交渉を行う阪神の迅速さとは対照的に、鷹の動きは鈍いままだった。

結局ソフトバンクは初めから城島選手獲得の意思がなかった、と判断せざるを得ない。福岡のソフトバンクファンの声を受けてポーズだけとったのだろう、と勘ぐられても仕方あるまい。ソフトバンクには正捕手に急成長した田上秀則選手がいる。阪神狩野恵輔選手も成長著しいが、送球に難があり、OBで評論家の広澤克実氏からも「腹の立つ試合だったよ」(「http://hirosawa-katsumi.com/torabanashi/2009/05/post_681.php」)と題して

まずは、キャッチャーの狩野。
狩野には、何の恨みもないけど
悪いけど、正捕手の器じゃないよ。
安藤もなんで打たれたわからねえんじゃないかな。
5点も取られてびっくりしたと思うよ。
狩野を使い続ければ、ここまでは確実に伸びるとか
保障されてるなら使い続ければいいと思うけど
このままじゃ、厳しいだろうな。
まあ、矢野の代りにはなりきれない
ということだよ。

とか、「広島との初戦 守備の乱れで負けた試合だよ」と題したエントリ(「http://hirosawa-katsumi.com/torabanashi/2009/09/post_739.php」)では

よく、俺のブログでは、狩野に厳しいという意見があるんだけど、
それは仕方ないよ。
だって、キャッチャーというのは、様々なサインプレーの発信源だし、
現場的には監督なんだよ。
だから、個人的にはそこで勉強とかはどうかと思うんだけど、
なんで、こんなことを書くかというと
この試合もキャッチャーに関するシーンがあったんだ。
それは、能見がワイルドピッチをした場面なんだけど、
あれは、止めてあげなきゃいけないと思うんだ。

とか、とりあえず狩野選手に厳しい言葉が並んでいる。私個人の意見で言えば、数年後を見通して狩野選手を正捕手に育てるには「そこで勉強とか」をしていかなければならないだろうと思うし、ファンもそこは辛抱しなければならないと考える。しかしチームの意見として「そこで勉強とかはどうか」「このままじゃ、厳しいだろうな」ということになったのだろうか。
追記
城島選手が阪神入団を決めた。ソフトバンクはおそらく最初から獲得意思はなかったものと思われても仕方がない動きだった。ただファンの声で重い腰をしぶしぶ上げ、ポーズだけとった、というところだろう。城島選手本人の次の言葉がそれを物語っている(「http://www.sanspo.com/baseball/news/091027/bsb0910271731011-n1.htm」)。

−−古巣のホークスへの未練は
「いろいろお世話になったし、正直迷いました。きのうの夜、恩師の王さん(貞治会長)には(阪神入団の)電話をいれました。ホークスも会社の問題や、(世代交代という)チーム事情があるみたいで…」

阪神ファンの意見は意外に冷めている、という印象がある。城島選手に期待する声もあるが、狩野選手のことを慮る声が大きい。狩野選手はまだ若い。城島選手の次の正捕手として、この数年間は城島選手のサポート役として経験を積むことになるだろう。捕手はけがの多いポジション、狩野選手を必要とするときは常にある。

*1:10年前の話だが。小林よしのり氏を批判したら「偏向している」「サヨク教師が」というアンケートが5通ほど混じっていた。