阪神5ー4ロッテ

ヒーローはもちろんさよなら犠飛城島健司捕手。「ノースリーから併殺打、コメントがアドレナリンが出過ぎた、となるんちゃうか」とか言っていたら、見事にヒーローに。
隠れたヒーローは藤川球児投手。9回表、ロッテの攻撃をしっかり3人で抑えた。内容も里崎智也捕手を三振、今江敏晃三塁手を二飛、代打の金沢岳捕手を三振。一時ロッテに傾いた試合の流れを完全に阪神に引き戻した。
阪神ファンは試合の流れに敏感である。試合の流れが相手に傾くと露骨に雰囲気が変わる。よく言えば「野球を知っている」ということになるのかもしれないが、選手からすればたまったものではないだろう、とも思う。悪く言えば辛抱が足りない。選手のことを考えずに、自分のことばかり考えている。すみません(汗)
だからか、阪神は流れが悪くなるとずるずると引きずられてしまう、という印象がある。今回もスターターの久保康友投手が途中まで非常にいい投球をしながら、途中、明らかにばてて、打たれた。おそらく今日の試合にかける気持ちが強かったのだと思う。古巣のロッテということと、交流戦最多勝利から転落したことから、今日は勝ちたかったのだろう。試合のスタートから飛ばしていた。もっと早く交替した方がよかったのではないか、と素人目には思った。
4対1とリードしながら、中押し点が入らない展開も流れを悪くしたと思う。渡辺亮投手の二者連続四球も流れを悪くしている。こうした流れの悪さが、甲子園の大観衆に蔓延するのだ。選手はさぞかしやりにくいと思う。特に7回表。風船を膨らませるファン。あの音はプレッシャーだと思う。
ちなみにロッテファンは対照的に流れに左右されない。むしろ応援のパワーで悪くなった流れすら自チームに持って来ようとすらする。流れを読んでいないのではない。おそらく彼らは野球をよく知り、野球の流れを感じ取り、そして流れが悪くなったときこそ一致団結して奮起し、流れを変えようとするのだろう。ロッテファンは「サポーター」という故障がふさわしいように思う。今日もそれを再認識した。
そういうことを考えると、藤川球児投手の圧巻の投球は確かに流れを阪神側に引き戻したし、その流れの中で際どい判定も出た。そしてそれが最後の城島捕手のさよなら犠飛につながったと思う。
ちなみにロッテサイドからすれば、最大の立役者は島田哲也二塁塁審だろう。二回の微妙な判定があったのは事実。一つは西岡剛遊撃手をアウトにしたこと。もう一つはマット・マートン左翼手の盗塁をセーフとしたこと。あれも流れが変わった一つの契機だったと思う。阪神サイドに大きく偏向している私の目には西岡遊撃手の走塁は線から離れているように見えたし、マートン左翼手の盗塁は手が入っているように見えた。もちろん阪神サイドに都合よく記憶が捏造されている可能性が高い。