第七話

種ヶ島恵は夢子の服を着て、田中と夢子の子の元輝を連れて歩き出した。やがて車の中から三人の男が尾行を始めた。それを見て工藤、奥別府もあとをついていく。
亀有公園にさしかかり、人通りが絶えた一瞬、種ヶ島は元輝を抱き上げ、走り出した。あとをつけていた男三人もあわてて追いかける。種ヶ島はそのまま公園前の派出所に駆け込み、そこにいた巡査に助けを求めた。「あの人達に追いかけられているんです!」すぐに二人の巡査が飛び出していく。男三人は身を翻して逃げようとするが、そこに後ろからついてきていた奥別府と工藤が飛びかかった。剣道有段者とラガーマンにかかっては逃げられない。残る一人も長身の巡査によって取り押さえられた。