社会という科目

私の脳内では好評だった国語受験法の続編、社会科受験法を考察してみたい。ちなみに私は社会と国語しか教えたことがないので、英語と理科と算数・数学は永遠に出てこない。
中学受験の社会科は、地理分野・歴史分野・公民分野に分けられる。大学では地理学と歴史学は文学部、公民のうち倫理も文学部、政治は法学部または政治学部、経済は経済学部または経営学部、そして社会学部は何となく公民分野のどこか、詳しくは知らない。ごめんなさい。
だから近年文部省(当時)は高校以上で社会科を解体して地歴科と公民科に分けてしまった。文学部で歴史学を学んだものがいうのは何だが、社会科解体、というのは歴史学にとっては大きな出来事だった。
まだ中学受験では「社会科」だが、これもいつ変わるかわからない。「教育」現場は常にイデオロギー闘争の場であり、生々しいイデオロギー闘争が行われている。「社会科」解体もその一つだろう。特に小学生で「生活科」が導入されてからは、社会科解体への動きが急ピッチだ。しかし受験産業と中学側は社会科の枠組みで試験をするので、年々ギャップが大きくなっているような気がする。
それと関連があるのかわからないが、近年学校現場でまともな社会科教育が行われているのか、疑問に感じることもある。私が小学校の時、私を教えていたのは日共ばりばりの教師だったが、日本の歴史はしっかりと教えていた。日共は歴史をしっかりと教えたがるはずだ。近年急速に歴史を教えなくなっている背景が何なのか、私にはよくわからないが、少なくとも「サヨク」教師が反日教育を行っている、というのは虚偽ではないだろうが、一面的だろう。私も反日サヨク教師に学んだが、日本人の栄えある歴史についてはしっかりと教わった。しかし最近は本当にあやしい。鎌倉幕府室町幕府の区別もつかないまま一流中学に受かるヤツもけっこういる。灘・甲陽は社会がない。六甲もなくなった。第一次世界大戦第二次世界大戦の区別がつかないまま中学に進学したヤツもいる。をいをい、日本の将来大丈夫か。いや、大丈夫じゃないな、多分。
それはともかく、社会の三分野のうち、どれを重視するかだが、地理4:歴史4:公民2という比率で出題される。歴史はだめな人はとにかくだめだが、やる気が少しでもあれば、自分でも勉強できる。ポイントは覚えるだけだ。要はやる気だけなのだ。歴史がだめ、という人は、自分の能力を疑う前に、自分のやる気を疑った方がいい。特に中学受験など、したくなければしなければいいのだ。歴史がとことんダメな人は、そもそも受験するかどうかについて家族会議でも開いたほうがいいだろう。
公民もほぼ同じだ。ただ公民は日ごろの見聞もものをいう。そもそも議院内閣制もわかっていない人の子どもが公民でまともな点を取れる可能性は低い。日ごろからテレビを見ておくことだ。
新聞は差し当たり中学入試に必要な能力を身に付けるにはいい方法だ。欲を言えば複数の新聞を取りたい。朝日新聞だけ、とか、産経新聞だけでは偏向してしまう。偏向していない新聞はないし、そもそも偏向していない新聞には存在意義がない。教師には朝日好きが多いので、朝日新聞と何か、がいいだろう。そこは好みで。朝日嫌いの人は朝日をとって*1、産経もとって、産経の論調に従って朝日を批判するトレーニングをするのがいいだろう。
地理こそ中学受験の鍵を握る分野だ。地理は新聞を読んでも、ネットで検索しても出てこない。まさに塾の独壇場。しかし残念ながら地理をしっかり教えられる人は意外と少ないのも現状だ。次回以降、地理の受験術を中心に社会科受験法を考えていきたい。

*1:ネットでただで見られる分で十分なのだが。というより産経の社説に引用されている分で十分かも(笑)。