貿易

貿易分野はかなりの応用分野である。基本的な知識としては自由化問題は出る。特に今年はBSE問題があるので、出題も多いことが予想される。コメ輸入自由化の経緯は押さえておきたい。ウルグアイラウンド、GATT、WTOミニマムアクセス貿易摩擦輸入自由化の関係。これはかなり政治的な意味合いも含みかねないので、慎重にならなければならないが。一昔前ならば、日本の貿易黒字解消のためにコメや牛肉の自由化に踏み切らざるを得なかった、という趣旨の出題はまったく問題がなかったが、今ならばやり玉にあがりそうだ。BSE問題を扱うブログのコメント欄を見ていると、そういう気分になる。レッテルを貼られかねない。
応用分野に移れば、表を見て、その表の内容を問う問題が多い。大きく分けると、国を答えさせる問題と貿易港を答えさせる問題だ。特徴を押さえて効率良く覚えよう。やみくもに覚える人がいるのだが、はっきり言って覚えられるわけがない。これは教師の腕の見せ所。何を覚えるべきか、しっかり生徒に押さえさせる。そのためには教師がそもそも物事を掘り下げて考察しなければならない。社会は暗記科目ではない。暗記するためには本質を押さえなければならない。
国名。基本はオーストラリア関係を押さえる。オーストラリアは日本に多くの本牧を輸出している。石炭・鉄鉱石などの工業の基幹をなす品目が含まれるので、出題したいのだ。二位を押さえる。他にエビや天然ガスを輸出するインドネシア、自動車と医薬品が目に付くドイツ、衣服が多い中国など。こういう問題では日本との関係を問う問題も多い。アメリカは日本の最大のパートナーなので出題比率が高い。どちらかと言えば課題が多く出題されがちだ。関係が深いだけに両国の間の問題点をこそ考察する必要があるからだ。ロシア、ブラジルなども出る。木材をめぐる環境問題とも関連付けられるからだ。他に石油関連の国々を押さえる。イラクやイランの場所も理解できなければ話にならない。地図を日ごろから眺める必要がある。
貿易港では成田空港を押さえる。空港も「貿易港」だ。日本最大の貿易港である。他には神戸港と横浜港は貿易額で押さえる。特徴あるものとしては自動車が20%の名古屋港(トヨタ)、自動車が80%の広島港(マツダ)、自動二輪が入っていれば清水港(浜松市ヤマハ)、家電品が目に付く大阪港、炭素化合物(ダイヤモンド)が入っている東京港を押さえればいい。あとは残ったものを適当に結びつければ問題ない。