3年生雑感

新しい入塾生がきた。一目伸びる可能性を感じた。理由は、こちらの支持した通りの作業が出来る。これが意外と難しい。我流で処理したがる。結果オーライで行くから、点数が安定しない。自分のツボにはまれば強いが、ツボを外すとどうしようもなくなる。
こちらの指示通りに動ける能力というのは意外と貴重なのだ。作文の時にそれを思った。作文教室は当然彼は初体験である。どう動けばいいのか全く分からない。その作文教室は自由に書け、というものではない。一回一回狙いがあり、作文を書くことで、スキルがアップするようになっている。今回は書きたいことを整理しよう、というテーマ。「授業参観」か「困っていること」について書く。これは選択。そして次にプリントに書いている問いに答える。すると構想メモができ上がっている、という形なのだ。これはいい。我が塾がつくったものではなく、アウトソーシングだが、いい。これをしっかりやれば、作文を書くスキルは大分向上するだろう。書いた後は向こうが添削してくれる。かなり丁寧にやってくれる。ちなみに私は作文の添削のバイトをやったことはある。これは大学のレポートの添削にずいぶん役に立った。TAの院生にやらせると結構めちゃくちゃなことをするから、大学の教師を目指す人はぜひ一度は作文の添削のバイトをやることをお勧めする。
添削されて返ってきた自分の作文を見直せば、どこが具体的によくないのか、どう直せばいいのか、詳細に書いてある。これを見直せば、ずいぶん力がつくだろう。それは子ども一人ではなかなかできない。親が見てやる必要がある。ちなみに塾ではそこまで手は回らない。百人近くの生徒が受けるから、それを一々見てやる余裕はない。親にもそれを理解するために勉強する必要はある。
で、生徒の話だが、普通の生徒はいきなり書き始める。構想メモなどつくらずに我流で書く。ところがその生徒はしっかり構想メモを作り、それに沿って作文を完成させたのだ。6年生でもなかなかやらない行動だ。これは彼が作文教室について何も知らない、という自覚があるから出た行動ではあるが、意外と慣れていない生徒の方が伸びることはある。変な癖をつけていると、4年のころは一番上のクラスでも6年になってみたらクラスが下がっていた、ということがある。そういう生徒は伸びていないのだ。我流でやるから、いつまでも力がつかない。何も知らない生徒の方が伸びる可能性は大きい。ただ家庭でのしつけがうまくできていることは最低条件だ。夜更かし、朝寝坊、朝食もとらずにほうほうの体で学校にいく生徒は塾でも伸びない。学校でもしっかりと生活している生徒が塾でも伸びるのだ。
ちなみに中学受験生は意外と野球とかサッカーとかテニスとか、あるいはバイオリンとかピアノとか、何らかの習い事に打ち込んでいる。と言っていきなり今から通わせてもだめ。あとめちゃくちゃ言っている生徒もいるがそれもダメ。塾と何か一つ、自分で打ち込めるものが必要だ。親から言われていやいややっているのはダメ。それならば何もしないほうがよい。勉強以外に何か打ち込めるものを塾に通う前から見つけておきたい。もちろんプラモに打ち込む、というのもありだとは思うが、やはりスポーツか芸術だな。え?プラモも芸術だ?私もそう思うが、そう思わない人も多そうだ。ちなみに私はプラモを作りすぎたのか、この年になって有機溶剤アレルギーで石油も扱えないし、香水もつけられなくなってしまった(石油関係の匂いをかいだり、ヘアコロンや整髪料を付けると頭の芯が強烈に痛くなる)。プラモ好きは気をつけたい。