塾禁止

教育再生会議野依良治座長が塾禁止を持ち出している。公教育が放課後も縛ろうというのだ。まさに私生活まで政府が介入する。塾の現状が決して褒めたものではないのも百も承知だが、同時にバッシングの言説で表象されるほどひどい塾ばかりでもない。しかし教育再生会議における議論を見ていると、塾を悪者にして教育における政府の位置づけを大きくしようというように思える。
現在なぜ中学受験が流行しているのか。理由の一つは高校教育をしなくてもいい、ということにつきる。公教育にすべての人格を捧げる必要のある高校受験を回避しているのである。高校受験には内申書があり、内申書は中学教師の、つまり公教育の胸先三寸で決められる。愛国心も当然評価対象になるだろう。それが嫌な人は公教育から離れて私学に行く。そのルートを断ち切り、全ての人間を国家の主導する教育に従わせること、それが野依座長の目指すところなのだろう。