29年前の大糸線旧国モデル

鉄道模型趣味」別冊の「PLAY MODEL」第2号の記事が、結構興味深い。この号は1979年1月に発行されていたはずだ。29年前の旧国モデルの状況を見るうえで興味深い記事である。
当時はグリーンマックスの板状キットしかなかった。この状況は今でも変わらず、鉄コレ第4弾が出るまではほとんど完成品もなかった。マイクロエース大糸線飯田線の旧国を出してはいるが。「グリーンマックスのキットを組み立てた大糸線風のローカル編成」と題してグリーンマックスのキットの組み立て方について解説されている。

旅行をした時など、山奥のローカル線でかつての本線主力電車に出会ったりすることがある。ローカル色に塗られて黙々と働く姿には、旧型電車ファンならずともグッと来るものだ。そんな姿に魅せられて作ったのがこの一編成。グリーンマックスの電車キットを組み、大糸線色のスカイブルーに塗ってある。

これ、よくわかる。標準となっているブドウ2号では汎用性は高いが、地域性はない。ローカル色ならば地域はかなり限定される。青22号ならば大糸線富山港線、あと知らなかったのだが、大垣以西の区間運用の車両に塗られていたようだ。例えば大糸線色の車両を見ると、安曇野の風景まで目に浮かぶような気がする。ローカル色の魅力はここにある。弘南鉄道の色ならば岩木山とリンゴ畑、富士急ならば富士山麓の高原風景など、その線独自の風景が目に浮かぶような気がする点が魅力だ。茶色ならばあちらこちらで働いているので、こういうことはない。ローカル色のいい点である。
選ばれた車種はクモハ43とクモハ41、クハ55が2両。クモハ43は2扉クロスシートの車両。当初関西に投入されたが、横須賀線のクモハ32を置き換えるために関西から横須賀線に転属した。クモハ32はクモハ14に称号改正され、身延線飯田線で生涯を終えた。2両が富士急に譲渡され7031、7032となった。鉄コレには旧クモハ14009の7032が入っている。これを水色に塗れば、クモハ43風になる。クモハ16と組ませれば、「PLAY MODEL」と同じ編成が出来る、といいたいところだが、「昭和の鉄道模型をつくる」には2両編成がやっと。
動力は現在はグリーンマックストミーテックから使える動力が出ているが、当時は旧国用の動力など皆無で、この記事ではKATOのモハ103を動力に組み込む。

動力ユニットの付くクモハ41ではちょっとした加工が必要だ。使用した関水モハ103用の取り付け台(t0.5のプラシート)を前後に取り付け、タップを切っておく(M1.4)必要がある。動力ユニットにも、この取付孔に合わせて孔(○1.5)をあけておくのはもちろんだ。この取付ネジは、頭が出すぎるとカプラーに当るので落とし込んでおく必要がある。

かなり難しい加工が必要なようだ。使っている言葉も難しくて「ちょっと何言ってんだか、分かんないですね」という感じだ。1980年頃にはエンドウの201系の動力ユニットを使う、という裏技があった。台車や床下機器は全く合わないが、加工なしで付けられるのが魅力だったようだ。この頃にはしなのマイクロより動力も出され、それを使う手もあった。こちらはホイールベースも旧国用になっているので、非常によかったのだが、ほどなくしなのマイクロは倒産した。しなのマイクロのブランド名のマイクロエースは現在アリイが継承している。
このころグンゼの鉄道カラーが出され、非常にハードルが低くなった。現在のGMカラーである。GMカラースプレーを使うコツは次回に。