「関東新制条々」25−追加法364その3

「物具」つまり武具についての規制条項。華美にならないように、ということで「上下諸人」や「僧侶」に関する規制をみてきた。今度は神事の時の「物具」のこと。
本文。

神事并元三出仕晴儀之外、於総鞦者、可停止之。褻行之時、不可用総鞦。雖女騎馬、蒔絵鞍鐙轡絲鞦可止之。於轡者、交銀事同先条。

読み下し。

神事ならびに元三出仕の晴儀のほか、総鞦においてはこれを停止すべし。褻行の時、総鞦を用いるべからず。女騎馬といえども、蒔絵の鞍・鐙・轡や絲の鞦はこれを止どむべし。轡においては銀を交えること先条に同じ。

「元三」は正月三が日のこと。正月三が日に出仕することと、神事の場合には鞦(尻懸)という馬の飾りものを付けることは許されたが、それ以外はだめだったようだ。「女騎馬」はおそらく特別扱い、という慣例があったのだろう。そこに規制の網をかけようということか。