最判H7・2・28の検討(その2)

引き続き判例の逐条的解釈。

そこで、憲法一五条一項にいう公務員を選定罷免する権利の保障が我が国に在留する外国人に対しても及ぶものと解すべきか否かについて考えると、憲法の右規定は、国民主権の原理に基づき、公務員の終局的任免権が国民に存することを表明したものにほかならないところ、主権が「日本国民」に存するものとする憲法前文及び一条の規定に照らせば、憲法国民主権の原理における国民とは、日本国民すなわち我が国の国籍を有する者を意味することは明らかである。

憲法一五条一項にいう公務員を選定罷免する権利の保障」に関して、憲法一五条一項をみておく。

公務員を選定し、及びこれを罷免することは国民固有の権利である。

第三項では普通選挙の保障、第四項では秘密投票の保障、となっており、ここでは選挙権のことが念頭に置かれている。そこで判例は選挙権に関しては、主権が「日本国民」に存するものとする憲法前文「主権が国民に存することを宣言し」及び一条「主権の存する日本国民」に照らせば、憲法国民主権の原理における国民を「我が国の国籍を有する者」と規定している。つまり日本国籍を有するものでなければ、選挙権は与えられない、という原則をここで確認している。