笑った

まずはイザ!のこの記事(「http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/education/275246/」)。

大手学習塾の栄光ゼミナール(本部・東京都渋谷区)の小学5年生の社会科教材で、昭和12年の南京事件を「市民十数万人を虐殺(南京大虐殺)」と記述するなど、自虐史観に偏ったものが使われていることが分かった。塾の教材は教科書検定のようなチェックなしに使われており、識者らは「子供が初めて学ぶ日本史が、日本を悪と強調する10年以上前の教科書の内容で、それを丸暗記させられている」と警鐘を鳴らしている。
栄光ゼミナールは、首都圏を中心に318拠点で小中高校生向け教室を展開する。同社広報室によると、中学受験指導コースで使われている「私国立中受験新演習小学5年社会下」で、「1937年12月、首都南京を占領した日本軍は、市民十数万人を虐殺(南京大虐殺)し、世界中から非難をあびました」との記述がある。
千葉県内の教室では、講師が「南京大虐殺」「強制連行」「集団自決」などを正答とする穴埋め問題のプリントを授業で使用。プリントでは、終戦間際のソ連の対日宣戦布告を米英との協定に基づいて行われたとする一方、日ソ中立条約違反だったことには触れない偏った内容となっている。
同社は「教材は生徒の志望校合格を目的に、文部科学省が認定した教科書の内容を基に、入試問題を参考に作成している。これらの変更がない限りは直ちに修正はしない」としている。
しかし、小学6年の社会科で登場する日本史で、現行教科書に「南京大虐殺」「強制連行」などの単語はない。「十数万人」についても、文科省幹部の一人は「被害者数についてはさまざまな学説があり、教科書なら検定意見の対象となる」と指摘。「中学入試で近現代史の出題は多くない。塾でここまで詳細に教えようとしているのは、違和感を覚える」とも話す。
子供が同塾に通っている千葉県在住の男性は、「5年生に歴史を教えるポイントとしてプリント内容が正しいとは思えない。なのに、子供は疑問を抱かずに丸暗記しようとしている」と不安を訴える。
新しい歴史教科書をつくる会」会長の藤岡信勝拓殖大教授は「教科書は小学校でも中学校と連動して自虐的な内容が改善されており、教材はその動向に真っ向から反している」と指摘。「教育基本法の下にある学校教育の枠組みの外で、『試験に出るから』という動機付けで偏向教育を塾で行うことは許されない。親は子供が塾で使っている教材に目を光らせる必要がある」と話している。

いろいろ突っ込みたいが「中学入試で近現代史の出題は多くない」って本当かな?私の印象では割合出ていたようなきがするけど。盧溝橋の場所とか、南京の場所まで聞いていたけどな。福沢諭吉の脱亜論や伊藤博文に対する韓国のイメージとかを出題していた。他の分野と比べて多いという訳ではないが、出る時にはかなり細かいところまで聞いてくる、という印象がある。多分「サヨク教師」に当たると細かく「日本軍の犯罪行為」をねちねち出してくるんだろうな、とは思う。塾を叩くよりも過去に出題した中学校を叩いた方が効果あると思う。塾は「教育」ではなく「受験指導」をするところだから。
特に藤岡信勝氏のこの発言、ひどいな。「教育基本法の下にある学校教育の枠組みの外で、『試験に出るから』という動機付けで偏向教育を塾で行うことは許されない」って、いや、「試験に出る」ものを教えなければ塾としての存在意義がなくなるだろうが。無知に開き直って適当なことをいう勘違い知識人って大学関係者に多いけど。
追記
今、自分とこの塾で使っていたテキストを見てみた。同じテキストだった。このテキスト、かなり普通に使われているからな。プリント教材は、うちの塾では使わない。栄光ゼミナールは熱心だと思う。しかし「小学6年の社会科で登場する日本史で、現行教科書に「南京大虐殺」「強制連行」などの単語はない」ということであれば、現行教科書に多分「藤原基経」も「藤原良房」も出ないのではないかな、と。中学で教育実習をやった同僚が「聖武天皇を教えずにどうやって大仏を教えろ、っていうんだ」とぼやいていた位だから、下手すりゃ聖武天皇も出てこないかもしれないわけで、そうなると「天武天皇」「持統天皇」「文武天皇」などもあやしい。要するに小学校の教科書以外は受験で使ってはいけない、ということか。それをやるとテストでは差がつけられず、入試は満点を取れた受験生から抽選で選ぶ、ということになるだろう。それでいいのだろうか。
こういう「クレーマー識者」が増えるから、中学入試から社会が削減され、歴史の知識はどんどんあやしくなっていく。
追記2
そもそもこの教材は栄光ゼミナールだけが使っている教材ではない。栄光ゼミナールの名前を出すことで、栄光ゼミナールを狙い撃ちにした、これは営業妨害にもなりかねない行為である。産経新聞社はもう少し冷静に事実を踏まえた報道をしなければならないだろう。