中学受験教材で偏向記述

あちらこちらの塾の教材で故右大将殿(本名:源頼朝公)による鎌倉殿の政権樹立を「幕府=征夷大将軍を中心とする政府」と記述するなど、「将軍の居所=幕府」という中華思想に配慮した媚中史観に偏ったものが使われていることが分かった。塾の教材は教科書検定のようなチェックなしに使われており、識者は「子どもが初めて学ぶ日本史が、中華思想を強調する10年以上前の教科書の内容で、それを丸暗記させられている」と警鐘を鳴らしている。あちらこちらの塾で使われている『私国立中学受験新演習小学5年社会下』で、故右大将殿が構築した鎌倉殿の政権を「1192年、源頼朝は朝廷から征夷大将軍に任じられ、鎌倉に幕府を開きました」との記述がある。
「1192年」や「征夷大将軍」について、吉田経長氏は「鎌倉幕府の開設の年次や何を以て鎌倉幕府の開設とみなすか、についてはさまざまな学説があり、教科書なら検定意見の対象となる」と指摘。「中学入試で中世史の出題は多くない。塾でここまで詳細に教えようとしているのは、違和感を覚える」とも話す。
鎌倉幕府藤原頼経将軍は「教材には『武士の最高位である征夷大将軍』との記述がおじゃります。麿は公家でおじゃる。何を以て『武士の最高位』とおっしゃるのか、皆目検討がつきませんなぁ」と語り、側近の三浦光村氏は「教科書は権門体制論と連動して武家に偏った内容が改善されており、教材はその動向に真っ向から反している」と指摘。「教育基本法の下にある学校教育の枠組みの外で、『試験に出るから』という動機付けで武家に偏った偏向教育を塾で行うことは許されない。北条氏を打倒せよ」と話している。