亀井静香金融担当大臣の会見

ものすごく面白いので、一応チェック(「亀井内閣府特命担当大臣繰上げ閣議後記者会見の概要(雑誌・フリー等の記者):金融庁」)。
リンク切れ対策として、面白そうなところをチェック。この会見は雑誌記者やフリージャーナリストなど、記者クラブとは違う人々を相手にしたもので、大新聞批判があちらこちらにちりばめられている。具体的に言うと、読売・朝日・毎日・産経の諸新聞がやり玉に上がっている。
まずは普天間基地問題に関する大新聞批判。
フリーの岩上記者の「アメリカの感触を含めて、この問題がこれから先どのように決着していきそうか、どうするべきか、その辺りの見通しも含めてお話し願えますか。」という質問に対する亀井大臣の答え。

皆さん方は別だけれども、基本は、特に日刊紙ですよ。朝毎読(朝日新聞毎日新聞、読売新聞)とか産経も含めて、日刊紙が、今、国益を損なうようなことばかり言っているのですよ。前政権が、13年間かかってなかなか決めなかったようなことを、前政権が決めた辺野古ですか、鳩山政権が年末までにあそこに決めないと「日米関係がおかしくなる」と。ひどいところは「破局的状況になる」というようなことで、煽りまくっているでしょう。これは決定的に間違っているのです。インド洋での給油に反対をした3党が政権をとってしまったということなのです。今度の政権は、今までの、ポチ公みたいに何でも言うことをきくような、そういう自公政権ではないと。ある意味では同盟国ではあるけれども手強いと。しかし、アメリカの極東軍事戦略上、世界政策上においても、日本との同盟関係はアメリカにとって大事だと思っているのですから。どうやって日本との関係をちゃんとしようかと、アメリカが一生懸命思っているのに、日本のマスコミが「この政権が、前政権と同じようにやらないと大変だ」とやるから、アメリカは「ああ、そうか。そんなに新政権に気を遣うことはないのだな」と、「今までどおり、『やれ、やれ』と言えば良いのかな」と思い出した点があったのです。
ところが、鳩山総理がきちんと、毅然として、「従属的な関係ではなく対等の形で、この問題は3党連立でもあるし、3党で協議をして、ちょっと時間をかけて、年内ということではないけれども、できるだけ早く結論を出したほうが良いわけですから、努力しましょう」ということをおっしゃった。当然のこと、当たり前のことを言ってしまった。それをまた日本の新聞は「日米関係は大変なことになる」と。私は、「何が大変なことなのか言ってみろ」と。そういうのが民主党の中でもいるのですよ。評論家なんかでも、「何が大変なのか言ってみろ」と。うにゃうにゃと、分からない。「いや、だけれども、機嫌を損ねたら大変なことが起きるのではないか」と。怯えているだけなのです。アメリカは逆に、日本との関係を、どうしたら新政権との間できちんとやれるかということを、少なくともホワイトハウスは必死になって思っているときに…。まあ、国防総省は軍事屋ですから別な観点があるが。
そういう、この問題をおかしくしたのは、日本のマスコミが一周遅れだからなのです。もう政権が変わったというので、アメリカの考え方が変わってしまっているのですよね。だから、総理がそういう3党の話し合いに基づいて、ああいうことをアメリカに通告したと。別にアメリカは、そうだと思っているだけのことなのです。今後、お互い熱心に、誠意ある話し合いを続けていこうというのがホワイトハウスの考え方、当たり前のことなのです。そういう意味では、日本のマスコミはポカーンと、唖然としているではないですか。「もっとアメリカが怒ってくれないかな」と思っていて(笑)。そう思わないですか。こういう、馬鹿げた倒錯現象が起きている。占領ボケなのですよ、マスコミの占領ボケ
夕べ、私は渡邉恒雄(読売グループ本社代表取締役会長)さんや評論家の皆さん方と夕食を食べたのですけれども、評論家の皆さんは同じようなことを言うのです。ガンガンと、ご飯をごちそうになりながらバンバン言い合ってしまったのですけれどもね。本当に、「私はどこにいるのか」と思ってしまいましたね。やはり、ここは日本なのですよ。そのことをみんな忘れてしまっているのですよね。
もともと安全と騒音の問題ですよ。普天間の場所というのは、普天間で騒音と安全に問題があるということで、どこかに移そうじゃないかという話になったわけでしょう。そうしたら、それが辺野古ということで前政権が一応あれしたと。そこに移すか移さないかだけが問題にされてしまって、問題は騒音と安全をどう解決するか、ということ、これが基本的な問題なのです。そのために県外が良いのか国外が良いのか、県民がそれを望んでいるのであれば、そういう努力をすると。しかし、それは県内でなければいけないという場合があるとすれば、沖縄県の方々の理解と同意を得なければいけないわけですから。そういうことも含めて、広く、今後この問題を決着する努力を3党で協議してやろうと言っている。「雲がないときは天気が良い」と同じことを言っているのです。ちょっとおかしいですよね、皆さんそう思わないですか。
だから、私は、今の子どもたちみたいに純粋な頭を持っている人間が、子どもたちが考えたら、大人たちは馬鹿げたことを一生懸命、「大変だ」、「大変だ」と言って大騒ぎしていると思いますよ。アメリカだってそうなのですよ。下地(国民新党政調会長)が偉いのは、(アメリカに)日帰りですよ。泊まらないで行ったのです。安全と騒音のことで行ってきましたよ。だから騒音とか安全の軽減、いわゆる具体的な軽減をする方法について、「アメリカとしても、そういうことも考えるよ」ということを引き出したというから。だから、日本は、基本はそう言っているけれども、アメリカも、「問題の本質は安全と騒音なのだな」と分かっているわけですよね。だから、下地(国民新党政調会長)が行ったら、その問題を出してきたと。
日本がいかれているのです。

次に同じネタで日本インターネット新聞社の田中龍作記者の質問

普天間の件ですが、亀井大臣がおっしゃっていることと類似したことを岡田外務大臣もおっしゃっていまして、「ルース駐日大使が顔を真っ赤にして怒った」というふうに、一部のメディアは書かれているのですが、「ああいうことは一切なかった」と言うのですよ。「これはもう新聞社の創作だ」と言うのですね。具体的に言うと、「産経新聞の創作だ」と言うのですが、全くそのとおりだと思います。アメリカの米軍の機関紙のスターズ・アンド・ストライプスというのも「我々は日本政府には圧力をかけていない」と言うのです。にもかかわらず、今、大メディアがこんな「大変だ」、「大変だ」と言うのは、大臣はどこら辺の勢力がこれを書かせているのだと思いますか。

に対する亀井大臣の答え。

いや、大新聞自身が、自分たちが狂っているのですよ。大新聞が狂っている発信元なのですよ。私は本当にそう思いますよ。結局、一周遅れなのですよ。占領時代と同じ考え方なのですよ。「アメリカの機嫌を損ねたら、日本は大変なことになる」と。「何が大変なことが起きるのかと言ってみろ」と。だって、この間、日米航空交渉は妥結したでしょう。あれによって、その中身が少しでも日本に不利になったことがあるのかと。アメリカがそれで怒って強硬になって、あえて邪魔をしてと(いうことは)ないわけでしょう。そういう(ことが)、あるはずがないのです。経済政策を変えるわけにいかないでしょう
私は5月にワシントンに行ったときに、(日本の)新政権が気に食わないといって、「在日米軍を使って倒せるのかい」と(笑)。そのときに私は教えてあげたのです。「だから、CIAがこの私を暗殺せんと、新政権はあなたたちの思うようにならないのだぞ」と言ったら、こういう顔をしていたけれども。何もできないのですよね。あと、アメリカにとって、日本は大変な大事な極東における同盟国なのですよ。日本にとって、アメリカが大変な(大事)な同盟国であるのと同じようにね。そこなのですよ。だから、日本がリーズナブルなことをやって、誠意を持ってやる限りは、直ちにアメリカの要求が、直ちにそのまま満足できることがなくても、日本の新聞が期待しているように、アメリカが子どもみたいにウワッとやったり、ダァーッとやることはないのですよ。

このあと、田中記者は非常に気になることを質問する。

とはいえ、辺野古にできることによって、懐がとても豊かになる人たちが日本の旧政権にも、アメリカにもいますよね。渡邉恒雄(読売グループ本社代表取締役会長)さんとか、そういう人と仲が良いですよね(笑)。それは関係があると思いませんか。

これに対しては亀井大臣もさすがに答えをはぐらかす。

どうですかね。私は夕べ、渡邉恒雄(読売グループ本社代表取締役会長)さんとご飯を食べたけれども、そんなこと言ってなかったですよ。

それを引き取る形で大塚耕平内閣府副大臣(拉致・金融担当)が答える。

だから、そういう質問も裏付けがないでしょう。だから、おっしゃるけれども、渡邉(恒雄 読売グループ本社代表取締役会長)さんが、本当にそういう仲が良いと、風評だけれども、誰も事実を確認しないで質問するでしょう。
それで、1点だけいいですか。産経新聞はひどいですよ。私もやられたけれども、それから今日、また昨日、北朝鮮のサッカーチームが入るか入らないか、ということで、武正(外務)副大臣が、「スポーツだから入れてやってほしい」というふうに発言したと載っているけれども、私はそこに一緒にいたけれども、そんなこと一言も言っていないですからね。もう、なぜああいう…。

ここで産経新聞を名指しで批判する。その上で「本当に、大新聞の、もうクレディビリティー(信頼性)には、大いにクエスチョンマークが入りますね」と畳み掛け、亀井大臣も「彼らは、やはり自信がないから、「あなたたちと一緒の記者会見は嫌だ」と言うでしょう。彼らは、自分たちがあなたたちよりレベルが低いという自覚があるから一緒にやりたくないのだと…。」と締めの言葉を口にする。