養殖サケ

サケ利用の歴史を調べている時に行き当たり、以来利用している北海道の水産会社である佐藤水産のパンフレットより。

養殖鮭は通常3〜4年かけて成魚になる天然鮭とは違い、およそ2年で成魚となります。小さなイケスの中に大量の鮭が育てられており、感染症の危険がありますので餌の中に抗生物質などを含めて与えております。それを知っている関係者は家族には決して養殖鮭を食べさせることはないそうです。

養殖鮭はいわゆるアトランティックサーモンで、日本で普通に言われているシロザケとは種が異なるので、成魚になるまでの年数に関しては一概には言えないだろう。オホーツクサーモンことカラフトマスも2年で成魚になるので。ただ過密飼育による感染症の危険回避のために抗生物質を与える、というのは何も養殖鮭に限ったことではなく、養殖魚通有の問題であるように思われる。中国産ウナギのマラカイトグリーンが問題になっているが、これも過密飼育から来る感染症問題だろう。
関係者は養殖鮭を食べさせない、という件は本当かどうかは厳密な検討が必要だろう。ハム会社の関係者は自社のハムを食べない、という伝説があるが、私がかつて教えていた某ハム会社の社長の息子は自社製ハムをいつも弁当に持参していたので、社長一族は食べるようだ。
続いて。

養殖鮭は奇麗なオレンジ色ですが、これは作られた色です。買い付け業者が色見本のプレートを何枚も持っており、その中の好きな色に作ってもらいます。色が決定すると餌の中に添加物を混ぜ、決まった色に作り上げ輸入されてきます。

鮭の色はヨコエビなどの甲殻類を食べる内に体内に溜まる色素であのようなサーモンピンクに仕上がる。養殖鮭は配合飼料を食べているので、色は普通の白身の魚と同じなのだが、それでは鮭らしくないので、添加物を食べさせて色揚げする、という話は私も別の書籍で読んだ。熱帯魚飼育でも色揚げ用の餌はある。赤系は比較的作りやすく、甲殻類を混ぜ込んだり、赤い色素を混ぜ込んで色揚げするようだ。問題は青い色で、ディスカスの場合、青い色は成長しないと出てこない。小さいうちから青い色を出させるためにはホルモン剤を投与して青い色を出すらしい。だから小さいくせに青い色が強く発色している個体は、買わない方がよい、という話は聞く。
養殖鮭に使われる添加物について。

養殖鮭は身の色を奇麗に出す為に餌の中にカンタキサンチンという化学物質を用いています。これは石油由来の合成物質で化学薬品会社から提供される色々な色合いの中から消費者が好む色を選ぶことが出来ます。カンタキサンチンは目の網膜に損傷を及ぼす危険性があります。欧州連合の保健当局は飼料1キログラム当たりのこれらの薬品の使用基準を80ppmから25ppmまで下げることを計画しています。アメリカでは80ppm以内であれば目に害はないとしていますが、そんな危険性のある鮭を好んで食べる人がいるのでしょうか。

いくつか留保をつけておくと、三陸地方などで行われているギンザケの養殖ではどうなのか、ということである。この点についてはなんとも言えないのだが、一応カンタキサンチンに関する資料をリンクしておく(http://www.jccu.coop/Press_Release/Press_040303_02.htm)。
添加物には発ガン物質があるものも多いので、なんとも言えない。さらに言えば私みたいに肥満な人は、どうしても発ガン性のる、と言われている甘味料を結構摂取していたりするのでさらに何とも言えない(笑)。
フードマイレージという概念について。私はこれで初めて知った。

Food(食料)mileage(輸送距離)という意味で、食べ物を自分の国で生産し消費する「地産地消」が望ましいという考えに基づきます。生産地と消費地が遠ければ遠いほど輸送費がかかりエネルギーも大量に使ってしまい、地球環境に大きな負担をかけてしまいます。フードマイレージは「重量×距離」であらわし、この数値が大きいほど地球に大きな負担をかけている国となります。2001年の農林水産省の試算によると、日本はダントツの1位で2位の韓国とは約3倍の差があります。ついでアメリカが3位で、国民1人あたりの計算でも日本は1位となっています。食料自給率も40%以下の日本では当然の結果です。