「関東新制条々」19−追加法357

過差禁制の条文の二つ目。
本文。

一 衝重彫牙象外居并檜折敷事
酒宴之時、一切可停止之。

読み下し。

一 衝重彫牙象外居ならびに檜の折敷の事
酒宴の時、一切これを停止すべし。

酒宴の時の過差禁制。
衝重(ついがさね)とは食物をのせる膳の一種で、盆の一種である折敷に脚を付けたもの。「脚には、猪(いのしし)の目形にかたどった眼象(げんじょう)という格狭間(こうざま)を透かしている。眼象を三方にあけてあるのを三方、四方あるのを四方、ないのを供饗(くぎょう)といった。」(Yahoo!百科事典)ということで、三方などを連想すればいいようだ。外居(ほかい、行器)とは「食物を入れて運んだり、旅行のときの必需品を収める器」(Yahoo!百科事典)。問題は「衝重」と「外居」との間にある「彫牙象」で「彫象」は象牙のことなので、象牙を使ったらだめだったのか、あるいは「彫牙象」が「眼象」のことなのか、わからない。「折敷」は盆で折敷に桧を使うことが禁止されている、ということのようだ。