島津氏と琉球について考える1

画像は島津義弘

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指揮兵数の多さと極カードにしては入手しやすい価格が魅力。騎馬鉄砲適性は少し微妙。スキルは砲攻だが発動率に難あり。でもこの前の合流攻撃では珍しく発動していた。発動すると上昇率は高いから、威力はある。
島津氏と密接な関係があるのが琉球である。琉球と日本との関係について、古くは小葉田淳(故人であり、史学史上重要な研究者なので呼び捨て、以下呼び捨ては同じ)による応仁の乱の前後で室町幕府と島津氏という区分わけがなされ、それが踏襲されてきた。田中健夫は日琉関係における島津氏の位置付けを以下のように整理する。
A)琉球渡航船の警固者
B)幕命による琉球渡航船の保護監督者
C)幕府の意思の琉球への伝達者
D)琉球との直接通交者
E)琉球渡航船の保護ならびに妨害者
F)幕命によらず島津氏独自の意思による琉球渡航船の統制者
G)琉球貿易の独占監督者
H)琉球に対する来航不履行の譴責者
I)琉球侵略者
J)琉球の実質的支配者
AからJの過程で琉球に対する権益を増大させる薩摩藩琉球支配は中世からの必然的帰結となる。
黒嶋氏は「琉球王国と中世日本」(『中世の権力と列島』高志書院、2012年所収)においてこのような通説的見解に疑義を呈する。私自身2000年に発表されたこの論文を拝読して、非常に刺激を受けたものである。
まず日琉関係においては、日明関係における勘合や日朝関係における牙符のようなパスポートのような機能を果たすものが存在すら確認されない。つまり日琉関係は列島各地と琉球の間を行き交う民間貿易船に幕府や大名や琉球国王がどのように関与したのか、というものであって、島津氏が日琉貿易を独占していた、という整理は再検討の必要がある。
また島津氏の存在感が大きすぎるのも問題点であると指摘する。島津氏に残された琉球関係の史料を用いる際に、薩摩藩の修史事業の中で近世的な吟味と解釈がなされたことに留意しなければならない、というのである。
さらに琉球内部の政治状況がほとんど考慮されていないとも指摘する。王統の交替や王国の中央集権化などの起伏や、琉球をとりまく東アジア世界でも嘉靖倭寇などの出来事があったが、それが日琉関係にどのように影響したのか、と問いかける。