戦国期の棟別銭

画像は武田信玄(上)。

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イベントカードで大体のプレーヤーが入手しているはず。上カードにしては兵数が多く、使えるカード。だが馬の攻撃カードは多士済々なので意外と使わない。特に騎馬鉄砲との相性がそんなによくないので、騎馬鉄砲オンリーとなる終盤戦には控えに回ることが多いのと、武田信玄(極)が同じくイベントカードで入手しているので、それとかぶる、というのも、このカードの使い勝手を悪くしている一因(同じ名前のカードは同時にセットできない)。
武田信玄は棟別銭を中心とした税制を確立したことで知られる。分国法『甲州法度之次第』において詳細に規定されている。そこでは郷単位での課税、武田氏側の役人の管理、課税対象となる屋敷の格付け、決定した棟別銭の非免除など、武田氏の棟別銭の基本原則が判明する。さらに武田氏の棟別銭は家格ごとに本屋二百文、片屋百文、新屋五十文と負担額が決められ、本屋と片屋には三軒で百文の迷銭を負担していた。整然とした棟別銭の課税体系は宗教的な名目を伴わず、世俗権力武田氏を用途とする一般税であり、前代までの棟別銭とは全く性格が異なるものである。従来は戦国時代の棟別銭は室町時代の守護が徴収していた棟別銭の継承と説明されてきたが、その見解に黒嶋氏は異論を呈する。すなわち室町時代においては寺社を用途とする特別税だったのが、戦国時代になると、性格を一変させ、世俗権力を用途とする一般税となっていった、というのである。しかし宗教的な性格が後退したかというと、仏神用途のものを人に転用する「互用」の罪の観念は生き残っていた。武田氏はいかにしてその転用に成功したのか、という問いが立てられることになる。