『蔭涼軒日録』の「南蕃酒」

文正元年八月一日条

琉球国使芥隠西堂(破了)
大軸并南蕃酒小樽忽賞之。其風味与我方(破了)

ということで、南蕃=南蛮=西洋=ワインというのはあまりにも単純すぎる。室町時代の南蛮とは東南アジアのことであり、琉球を介して関係が存在した。東南アジアを介して入ってくる酒のことであり、残りが読めないのでどんな酒だったかは分からないので、ワインの可能性を否定できないが、ワインであるとも言えない。ちなみに筆者の季瓊真蘂は文正の政変で失脚するので『蔭涼軒日録』は九月五日で終わる。