国語受験術

作文

「自由記述」の字面にだまされてはいけない。全く「自由」ではない。作文も同じだ。そもそも作文と受験国語とは異なる範疇に属する。学校の国語は「読解」「表現」などから成っているのだろうが、受験国語で問われるのは、読解能力だ。そしてそれを自分の意…

説明文

評論文の内でも一番説明が多く、意見表明が少ないのがこれ。しかもがちがちに形が決まっているので、読みやすい。要旨は結論段落の中心文、という法則が一番よくあてはまる。むしろデーターの正確な読み取りを要する問題が出たりするとやっかいだ。 少し細か…

ニュートラル

ニュートラル、ということについてご質問を受けた。当然の質問であって、私の「ニュートラル」の定義があいまいだった。詳しくは「評論文」のエントリーに書いてあることで、自分の意見を交えずに書かれている情報(文中の事例と筆者の意見)を読みとること…

論説文

評論の中でも、筆者の論を主張することに主眼がある分野。得意不得意がはっきり出る分野である。文章内容も堅いものが多いので、読むことがそもそもできない。逆に日ごろそういう文章に馴れた生徒は満点をとる。論説文ができるかできないかは、端的に国語の…

随筆文

随筆文は受験生から最も嫌われる分野である。曰く「何を言っているのかわからない」「何でそういう結論になるのか理解できない」「勝手に言ってろ」。知里真志保も言っている。「随筆とは筆にまかせてデタラメを書くことだとこの人たちは心得ているのだろう…

評論文

評論文の記述問題を生徒に解かせた時、やりがちな失敗がある。自分の意見をまぜこむのだ。「どこにそんなことが書いてある?」と聞くと、まず本文を読み直す。読み直してもないのだ。それで「ああ」とため息を漏らす。あるわけがないことに気付いたのだ。こ…

物語文

物語文とは何か。意外と難しいのだ。普通の小説だけではない。伝記も物語文だ。自伝も多くは物語のジャンルになる。随筆文が難しい。たとえば大平光代氏の『だからあなたも生き抜いて』にしても場所によっては物語文の手法で解かなければならない。場所によ…

韻文

文章は大きく分けて韻文と散文に分かれる。あくまでも私流の分類なので、突っ込みはご勘弁いただきたい。私はそうやって生徒に教えておるのだ。 韻文は中学受験の世界では詩・短歌・俳句に分類される。中学受験で出てくる長歌は「貧窮問答歌」だけだ。それも…

国語の特性

石原千秋氏は『国語教科書の思想』(ちくま新書)の中で次のように述べる。 国語はすべての教科の基礎になるような読解力を身に付ける教科だとか、豊かな感性を育む教科だとか、そんな風に考えている人がいるとしたら、それは「誤解」である。現在の国語とい…